ランニング障害(かかとの痛み)

ランニング障害(かかとの痛み)

かかとの痛み

 

ランナーで多い障害の一つに「かかとの痛み」があります。なかでも「足底腱膜炎(そくてい けんまくえん)」が代表的です。

 

足の裏には、縦方向に走っている「足底筋」と呼ばれる筋肉がありますが、その筋肉の表面には繊維性の強い膜があります。

 

この膜を足底腱膜といいます。

 

足のアーチ

 

足底腱膜は骨を引き寄せることで、足の骨のアーチを形成しています。

 

この弓のようなアーチによって、走る時の路面からの衝撃を和らげたり、蹴りだしの動作がうまく出来るわけです。

 

足底腱膜炎の病態

 

筋肉の表面にある足底腱膜は、非常に丈夫な繊維ですが、かかとの骨についている部分は力学的に弱い部分なので、傷めやすいのです。

 

走っていて路面からの衝撃を繰り返し受けると、微小部分で繊維が切れたり、骨からはがれたりします。

 

一度、小さな破壊が起こると、その部位では抵抗が弱くなるために、さらに破壊が進行してしまい、やがて痛みが出てしまうのです。

 

これが、足底腱膜炎です。

 

骨の棘:踵骨棘(しょうこつきょく)

 

このようにして壊れた部分には治すための反応が起こり、痛み物質を放出したり、切れた繊維の間を埋める新しい繊維が出来たり、骨の膜が厚くなって骨の出っ張りが出来たりします。

 

レントゲンで確認するとトゲのようなものが見られることがあります。

 

これを踵骨棘といいます。

 

治療

 

基本的には無理して走らないことです。かなり時間は必要ですが(2〜3か月)ほとんど治ります。

 

また、衝撃を吸収するようなシューズや靴下、中敷などを選ぶのも大切です。

 

足の痛みに耳を傾け、痛ければ走るのをやめる。あせらず時間をかけて治していきましょう!

 

予防

 

走りすぎは禁物!です。個人のレベルに合わせて無理せずに走ることが大切です。

 

また、足の親指(母趾)を反らせるストレッチや入浴後などの青竹踏みなども効果があるといわれています。

 

自然に逆らわずに、痛みが出たら休みましょう!